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糖尿病網膜症(SBSラジオ第11回)


SBSラジオ「聴いてみよう!最新の眼の健康」第11回:2012年2月24日放送分
寺田 海のように広く深い思いやり、慈しみの心をモットーに眼科診療に取り組まれている浜松市中区助信町の海谷眼科院長でいらっしゃいます海谷忠良先生をお迎えして、眼の健康について最新情報を伺います。海谷院長、こんにちは。よろしくお願いします。

海谷 こんにちは

寺田 今月は失明原因第2位という糖尿病網膜症についてお話を伺ってまいります。糖尿病が原因で失明するというお話を聞いたことがありますけれども先生これはどういうことなんでしょうか。

海谷 糖尿病は血糖値が高くなる病気です。糖尿病の合併症でよく現れるのが、神経障害、腎臓障害、そして網膜症の3大合併症と呼ばれるものです。糖尿病網膜症は眼の底にある網膜の状態が悪くなり視機能が低下し、最悪の場合は失明にいたります。

寺田 糖尿病になると糖尿病網膜症の発症の確率は高いのですか。

海谷 そうですね。糖尿病発症から約5年~10年くらいで、約半分近くの方が糖尿病網膜症を合併すると言われています。

寺田 糖尿病の方は非常に多いということも聞きますけどもいかがでしょうか。

海谷 糖尿病の疑いが強い人は、日本の中で約890万人、糖尿病の可能性を否定出来ない人は約1,320万人いると推定されています。しかも糖尿病が強く疑われる人の約4割が未治療の状態です。

寺田 未治療の方がそんなにいらっしゃるんですね。内科だけでなく眼科でしっかり見てもらうことが大切ですね。

海谷 そうですね。昔は糖尿病網膜症は失明原因の第1位でした。現在は2位ですが、やはり失明の危険性が高いですから、糖尿病と診断されたら眼の診察も必ず受けるようにしてください。

寺田 糖尿病がなぜ眼に悪影響を与えてしまうのでしょうか。

海谷 網膜には細かい血管が全体に張り巡らされているのですが、糖尿病で血液の中の糖の濃度が高い状態が続くと、血液が流れにくくなるなど、その血管に大きな負担がかかってしまいます。

寺田 視力への影響はどうなんでしょうか。

海谷 物を見る中心部である黄斑部に出血とか腫れが出てこなければこの段階では視力に影響がありません。

寺田 そうなんですか。視力に影響が無いということは、自分で気付きにくいということですよね。

海谷 そうですね。自覚症状がないので、眼底検査をしなければわからない場合がほとんどです。

寺田 病気が進行した場合はどのようになってしまうのですか?

海谷 急に見えなくなったとか、見にくくなってきたと自覚した時には、網膜症がかなり進んだ状態になっています。網膜の血液が流れなくなると、酸素や栄養をなんとか送りこもうと新しい血管が出来始めます。この血管を新生血管と呼ぶのですが、この血管は大変もろく出血を起こしやすいのが特徴です。新生血管が破れて網膜の黄斑部や硝子体内に出血が広がると視力の低下を自覚します。また網膜はく離を引き起こし最終的には失明につながるとても恐ろしい状態です。

寺田 具体的にどのような治療方法がありますか?

海谷 網膜の血液が流れなくなった場所をレーザーで凝固し新生血管ができるのを防いだり、新生血管を直接凝固して網膜症の進行を防ぎます。症状がかなり進行してしまった場合は硝子体手術をします。硝子体内に器具を入れ、出血した血液を吸いだしたり、剥がれた網膜を元に戻したりします。これらはそれ以上視力が悪くならないようにする手術です。

寺田 新生血管の発生を抑制して網膜症の進行を止めていくということですね。いずれにしても早めの治療が必要ですよね。

海谷 そうですね。糖尿病と診断されたら眼底検査をすぐに行い、網膜症が無いかどうか、網膜症があればどの程度であるか、糖尿病のコントロール状態がどうかということを総合的に見ていかなければいけません。

寺田 血糖コントロールをしていかなければいけないということですね。

海谷 はいそうですね。しっかり血糖コントロールできれば、網膜症を発症することはほとんどありません。これは医学的に証明されています。また網膜症になっても血糖コントロールをしっかりすることによって病気の進行が遅く、途中で進行が止まり状態が安定することも多くあります。糖尿病そのものの治療が基本ですね。

寺田 網膜症がない糖尿病の患者様でもしっかりと眼科の検診を受けなくてはならないですよね。

海谷 そうです。非常に大切です。糖尿病網膜症がかなり進行してから初めて眼科にこられる方もいますが、まだ見えるから大丈夫という自己判断はとても危険です。糖尿病の方は目の症状がなくても、必ず眼科も定期的に受診してください。
※これはラジオ放送の内容をテキストに書き出したものですが、一部修正を加えてあります。